一羽のアオサギが 夕暮れの川辺に降り立った 一瞬 辺りの空気が シン っと鎮まったような氣がした
野生動物と遭遇するとき いつも感じる空気だ それは彼らの属する世界と わたしたちが属する世界との間に在る 境界線なのだ そのとき わたしたちには 踏み込んではいけない世界があることを 知らされる わたしたち人間が犯してはならない領域に 立たされたとき わたしは そこにひれ伏すしかない それは なんと贅沢なことだろう