散文詩

そこには

宇宙まで突き抜ける

群青の空に

夕陽が

浅い夢のように溶けてだしていた

 

風すら音を失ったような

静寂の中に

思い切り注がれた情熱

 

幾万年の時を

水と風に愛撫され

岩山は

大地の叫びを

抱きしめていた

 

(「セドナ:奇跡の大地へ」より)

    

宇宙の詩(そらのうた)

 

「星の出」を見たことがありますか?

 

山の稜線に浮かぶかすかな光に

瞳をこらしていると

きっとあらわれるのです。

 

何万年、何億年もの彼方から

やっと届いた小さな光が

ゆっくり、ゆったり、昇ってきます。

 

じっと心を凝らしていると

見えてくる

それは秘密の贈り物。

 

満天の星、ひとつ、ひとつが

太陽のような恒星で

その周りには

惑星たちがあるはずです。

 

そこには、どんな世界があるのでしょう。

命を宿す星もあるのでしょうか。

 

星の出を眺めていると

広い宇宙の中にあって

この地球という星がどれほど尊い存在か

そしてそこに生きている私たちも

はかり知れない神秘の中で

過去にも未来にも存在しない

たったひとつの、たった一度の命なのだと知らされるのです。

 

(「セドナ:奇跡の大地へ」より)